３．目標(biāo)と課題

　以上の分析から、中國(guó)都市化の空間フレームワークは著実に形成され、大半の都市では農(nóng)村人口への戸籍制限が緩和され、都市の人口収容力が大幅に向上した。「第11次5カ年計(jì)畫」で示された都市化の促進(jìn)、都市化空間フレームワークの形成、都市計(jì)畫と都市建設(shè)の管理強(qiáng)化といった都市化の課題は基本的に達(dá)成した。中國(guó)の都市化は今後、新たな発展段階に入り、新たな目標(biāo)と課題に直面するであろう。今後の重點(diǎn)は、都市?農(nóng)村の二元體制を打破し、都市と農(nóng)村の融合的な発展を促進(jìn)し、中小都市の活力を高めることへと変化していくだろう。

　（１）都市?農(nóng)村の二元體制打破

　戸籍や土地利用制度の違いに基づく都市?農(nóng)村の二元體制が、貧富の格差拡大や地域の不均衡発展の主な原因となっている。中國(guó)の都市化率は60％を超え、都市と農(nóng)村の関係は重要な変化が生じ、今後の政策の重心は都市?農(nóng)村の二元體制の改革にある。

　まず、農(nóng)村から都市への定住制限を全面的に撤回し、人々が定住先を自由に選択できるようにし、住民戸籍の自由な移動(dòng)を?qū)g現(xiàn)させる。農(nóng)村?都市部を問(wèn)わず、都市に移り住む人々は皆市民の一員である。移住者は「新しい市民」として迎え、移住できない「農(nóng)民工」をなくす。都市に移り住む新市民とその家族が自由に移動(dòng)できるだけでなく、中間所得層に入る機(jī)會(huì)を得られるようにしなければならない。

　第二に、農(nóng)村の土地管理制度を改革し、集団経営の建設(shè)用地が國(guó)有建設(shè)用地と同様の開(kāi)発権利などを得て、農(nóng)民が自分の土地から資産収入を得られるようにするべきである。

　第三に、公共サービス制度を改善し、人口の規(guī)模に応じた公共サービスの提供を進(jìn)め、住民各々が同質(zhì)の公共サービスを享受できるようにする。

　(2) 都市と農(nóng)村の融合発展の推進(jìn)

　日本では、急速な都市化の過(guò)程において、都市の「過(guò)密化」と農(nóng)村の「過(guò)疎化」が共存する時(shí)期があった。現(xiàn)在、人口の半分以上が三大都市圏に集中している一方、農(nóng)村部は高齢化と空洞化が進(jìn)んでいる。また、國(guó)としては海外への食料依存度が極めて高い。これに対して、急速な都市化を経験している中國(guó)は、日本の教訓(xùn)に學(xué)び、都市と農(nóng)村の融合発展を推進(jìn)し、都市の発展と農(nóng)村の繁栄を共に図るべきである。

　そのためには、都市と農(nóng)村の相互作用を促すことが重要である。都市は、資本、技術(shù)、人材を農(nóng)村へ投下することを奨勵(lì)し、農(nóng)業(yè)開(kāi)発の恩恵を受けると同時(shí)に、農(nóng)村との人的交流を促進(jìn)すべきである。農(nóng)村は、規(guī)模経営をはかり、都市へ原材料や農(nóng)産物を供給すると同時(shí)に、都市との産業(yè)の融合発展を促進(jìn)することである。同時(shí)に、農(nóng)村部の居住地の集約化をはかり、都市部の公共サービスの農(nóng)村部への拡大を進(jìn)め、都市部と農(nóng)村部の公共サービスの均質(zhì)化を求める。

　(3) 中小都市活力の向上

　現(xiàn)在中國(guó)では一部の中小都市が、人口減少、産業(yè)縮小、経済成長(zhǎng)鈍化に苦しんでいる。しかし農(nóng)村と大都市とをつなぐ県庁所在地を含む中小都市の存在が、健全な國(guó)土空間にとっては不可欠である。中小都市の発展は、大都市の一部機(jī)能の分散化に空間を提供すると同時(shí)に、農(nóng)民の地方都市への就職?定住を誘導(dǎo)し、農(nóng)村?農(nóng)耕文化の保存にもつながる。したがって、中小都市の発展は今後の中國(guó)都市化の重要な課題の一つであり、中小都市における生活環(huán)境の改善、公共施設(shè)の建設(shè)、公共サービスの質(zhì)の向上、産業(yè)力の高度化への政策支援を強(qiáng)化すべきである。

　（4）都市再生の推進(jìn)

　改革開(kāi)放以降、中國(guó)で都市化は進(jìn)み、都市のアーバンエリアは急速に拡大している。急進(jìn)的な「都市づくり」の中で、低品質(zhì)の建物が大量に建設(shè)されたと同時(shí)に、建物の老朽化も進(jìn)み、都市の再開(kāi)発が急務(wù)となっている。日本には、都市の再開(kāi)発を手がける「都市再生機(jī)構(gòu)」（UR機(jī)構(gòu)）がある。中國(guó)では國(guó)土空間計(jì)畫制度が確立され、都市開(kāi)発の境界線が厳密に定められることで、都市発展の重心は規(guī)模の拡大から再開(kāi)発へと移行している。都市再開(kāi)発は、既存の都市を美しくし魅力を高め、住民の生活環(huán)境を改善するものである。そのため、スマート?シティ、ヒューマニスティック?シティ、ヘルスケア?シティなどの新しい目標(biāo)を掲げ、より良い生活を求める都市住民のニーズに応えるよう努力していかなければならない。

　「中國(guó)網(wǎng)日本語(yǔ)版（チャイナネット）」2021年4月2日