小林正弘
清華大學法學博士
Genuineways.Inc ブランド保護顧問
中國の李克強総理は5月22日に開幕した第13期全國人民代表大會第3回會議の政府活動報告にて、本年の重點政策である內(nèi)需拡大戦略の一つとして、Eコマースと宅配便の農(nóng)村地域への普及を支援し、農(nóng)村での消費の拡大に取り組むと述べた。
中國の農(nóng)村は、若者の農(nóng)村離れや都市部への出稼ぎのために、高齢化?過疎化が進んでおり、消費意識も消費能力も都市部に比べると低い。しかし、近年來、大手Eコマース企業(yè)とそれを支える物流網(wǎng)を提供する宅配企業(yè)は、積極的に農(nóng)村市場を開拓してきた。これにより、農(nóng)村地域でのネット購入が徐々に普及してきているのみならず、一部の農(nóng)家は自ら生産した農(nóng)産物をネット通じて全國の消費者へ直売することも可能になってきている。
もっとも、都市部と異なり、物流網(wǎng)の限界から農(nóng)村部では自宅まで宅配便を?qū)盲堡毪长趣想yしい。配達圏外の場合は、遠く離れた宅配集配センターへ荷物を取りに行く必要があるだけでなく、農(nóng)村地域から全國へ商品を発送するにしても宅配コストは都市部より高くなる。また、ネットで農(nóng)産物を販売するにしても、ネットショップ経営のための初期投資やネット店舗経営スキルを持つ人材の不足、商品の品質(zhì)管理などは、長年、農(nóng)村で暮らしてきた高齢者には極めて高いハードルとなっている。
資料寫真:ネットで農(nóng)産物を販売する女性たち
今回の政府活動報告では、このような課題について、政府が積極的にEC企業(yè)や宅配企業(yè)と連攜しながら支援策に取り組んでいく姿勢が明確に示された點で極めて重要な意義を持つ。これを契機に、適切な投資が行われ、農(nóng)村地域の生活の質(zhì)が向上し、Eコマース関連の雇用が拡大されれば、Eコマースと農(nóng)村高齢者をつなぐ若い世代の農(nóng)村離れに歯止めがかかるだけでなく、都市部IT人材の農(nóng)村回帰の呼び水ともなろう。
農(nóng)村における消費喚起は、①貧困脫卻による消費能力の向上②ネットおよび物流インフラの整備③若者の農(nóng)村回帰と農(nóng)村Eコマース人材の育成などが必要となる壯大な農(nóng)村復興プロジェクトといえる。そして、この農(nóng)村復興プロジェクトは、現(xiàn)在、中國政府が最重要政策として推進している農(nóng)村地域の貧困対策と車の両輪のような関係にある。貧困からの脫卻と義務教育の普及が農(nóng)村の未來を育む。
今回の政策により、Eコマースの恩恵が農(nóng)村地域に等しく行き渡り、活気に溢れる新しい農(nóng)村の未來が切り開かれることを期待してやまない。
「中國網(wǎng)日本語版(チャイナネット)」2020年5月23日